2025/04/15 20:29

Threadsで見かけた投稿

最近、Threadsで目にしたある投稿がとても印象的でした。
「ジェネリック長場雄タッチが多すぎる」「白根ゆたんぽさん風の絵が溢れている」
確かにSNSでは、本家そっくりなタッチで描かれたイラストが目立っています。

言葉にしにくいことをはっきりと伝えているその投稿に、私は強く共感しました。
また、そのような言いにくいことを堂々と発信できる強さにも感動しました。

私の考えは、「似てしまう」こと自体は悪くない。ただ…

影響を受けること自体は決して悪くありませんし、憧れの作家を目指して模写をすることは、多くの人が通る道だと思います。

しかし、本家の作家さんたちは何年もかけて試行錯誤を繰り返し、黄金比や白銀比、余白のバランスや線のリズム感を研究し、ようやく「自分らしさ」を手に入れています。

それをそのまま真似て、あたかも自分のスタイルとして表現することに対しては、正直、複雑な気持ちになってしまいます。

「簡単そうに見える」ことほど難しい

特に最近は、「この絵柄なら誰でも似顔絵が簡単に描けます!」という講座や広告をよく目にします。
ゆるキャラやミニキャラのような“点々の顔”は、一見「簡単そう」に見えてしまうのでしょう。

しかし、実際には簡単ではありません。

目や鼻や口をただ点々で描けばいいというわけではありません。シンプルな線だからこそ、少しでもバランスが崩れると途端に不自然になります。
黄金比や白銀比を意識した配置、絶妙な余白、線の太さやリズムなど、細かな試行錯誤を積み重ねてやっと成立する表現なのです。

オリジナルキャラを描き続けて、つぼみが開こうとしている仲間もいます。

だからこそ、安易な真似や量産を見ると、本家に対して失礼だと感じてしまいます。

誰でも「何かに似てしまう」ことはある

私自身、描いたイラストを見て「〇〇に似ている!好き!」と言われたことがあります。
悪気がないのは理解していますが、正直、それを言われたときは少し悲しいというか悔しい気持ちになりました。
そういうつもりで描いていなかっただけに、「まだまだだな…」と思ったのです。

しかし、絵を描いている限り何かに似てしまうことは避けられません。
世の中には膨大な数のイラストがありますので、どんなに気をつけていても既視感が生まれてしまうことはあります。

大切なのは、そこからどう進むかです。

「似てしまった」から先に進むために

「誰かっぽいね」で終わらせるのではなく、「では自分らしさとは何か?」を模索し続けることが私たちの課題だと思います。

SNSでは、「それっぽさ」で評価されることも多いです。
しかし、それに流されることなく、誰かの真似ではない「自分だけの線」を見つける努力をしなければ、成長はないと考えます。

「あなたの絵」と言われるために

私は「〇〇さんっぽい」と言われるより、「これはあなたの絵ですね」と言われるイラストレーターでありたいと思っています。

誰かに似てしまったことを否定せず、そこからさらに深掘りして、自分のスタイルを築いていく。

我々が描き続ける理由は、そこにあるのかもしれませんね。

最後に

考えすぎなイラストレーターが、ThreadsやInstagramでは語り切れない小さな悩みや想いを、じっくり書いてみました。

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
少しでも共感していただけたなら、とても嬉しいです。